バレンタインあるある
さてクリスマスの次に日本人が等しく発情してしまう大イベント
「バレンタインデー」がおっぱじまっている訳なのでありますが、
私が小学生のころは純粋に好きな男子に愛の気持ちを伝えるはずのものであり、
バレンタインデーになると男子は基本そわそわし、
一回家に帰って用もないのにまた学校にいくという謎の徘徊行動を採用している輩がいれば、
義理チョコをもらえたとしても
「あれ?これどうしたの? あっ今日バレンタインデーじゃ~ん忘れてたぜ~!」
などとわざとらしくすっとぼけるアホがイナゴの大群のごとく沸いていたものですが、
これが中学になると、
私の中学は校則が厳しかったんですね。
バレンタインは性に目覚めて狭い中学という籠の中で女をとっかえひっかえするヤギ並みの性欲を持つ彼女持ちがいるやつしかもらえなくなり、
高校になると義理チョコとかいう本心を隠蔽して本命をわからなくするというライアーゲームが横行、
果たしてこれは義理なのか、いや、義理と見せかけての本命なのかという
男子をとにかくムラつかせるイベントへ発展、
大学生のころになるともはや女子が自分で自分のチョコを食うという
「ただのデブ活イベント」になった感覚が個人的にはするのであります。
一方で私は姉に手作りチョコレートの制作のヘルプを務めていたこともあり、
毎年女子の目線からバレンタイン当日を迎えていたのですが、
手作りチョコとかいうくせに、
どこの馬の骨かも分からないクッソ安い徳用の板チョコを溶かしてに生クリームとよくわからない魔法の粉を振りかけただけで出来る
「誰でも簡単手作りチョコ」
をばらまき、手間暇の3倍ぐらいの付加価値が付いた高級なチョコをホワイトデーで回収しに回覧する
闇金みたいなことをしていて胸を痛めたものです。
しかも大量生産品なので、形の悪い端っこなどや余りは血を分けた兄弟に適当に融通する、道端に生えているレベルに適当な扱いのチョコが、
わずかに数個同梱されているだけであるにもかかわらず、であります。
うちの資本主義の豚(姉)いわく、
『ちょっと手作りにするだけで「本命なの?」とか勘違いしちゃって結構いい見返りあるからやめられん』
とのことなので、これはいかに日本男児がアホばっかりかということが明るみにでるイベントであると換言できましょう。
そんな悪や世間体によって塗り固められてしまった聖なるイベントは、
本来かくあるべきなのであります。
甘いものが好きかどうかも確かめ合わずに2月14日を迎えたふたり。
今日もいつものように行きつけの喫茶店で、
ロイヤルホットミルクティーをマスターに注文をする。
普段であれば食べ物の話が大好きな彼女も、今日はなぜか食べ物の話を意図的に避けているようだ。
そんな表面上では「なんでもない日常」をちょっと緊張しながら、
長縄跳びのタイミングがわからず息をのみ続けているかのように、
なにかのタイミングを測りたくてちょっとドキドキ息を飲んでいる彼女はやはり世界一お可愛い。ああもう食べちゃいたい。
初デートの食事は恥ずかしすぎて対面ではなくカウンターで、ぼくは彼女のうなじと会話をしていた。
ぼくたちは、外からみたらやっぱり奥手な恋愛をしているかもしれないけれど、
ぼくらの恋愛関係は大器晩成型なのだ、今真田丸で言ったら小田原攻めぐらいなのだ。これから石田治部少輔と仲良
「これっ…あげるっ!…今日…バレンタイン…だから…」
ぐるぐるぐるぐるしていたぼくの思考は、突然に爆発した。
ぼくは死ぬまでに何回この女性に惚れればいいんだろう。
完