ぬるぬる

 

真夏の東京メトロ東西線は、まるで人間茶碗蒸しです。
 
 
それもそのはず、人間の70%ぐらいは水分な訳ですから、1両300人ぐらい乗車しているとして、
日本人の平均体重をおおよそ60㌔gと仮定すると、
暴力的な計算方法ですが、12600㌔g、すなわち37℃ぐらいの12600リットルのぬるま湯の中に閉じ込められているからです。
 
 
もちろん満員電車などに乗車する私が悪いのですが、
混みすぎて手が塞がってしまうので、凄く暇です。
兼好法師だって「徒然なるままに日くらし硯に向かひて」いたというのに、
 
 
何が楽しくて私はおっさんの汗ばみぬるぬるした皮膚をひたすら眺めているのだろうと考えては、
「この湿度100%に近い状況において気化熱の作用が期待できぬとあらば、このおっさんのぬるぬるに存在意義があるのだろうか?」
と、勘ぐりたくなってきてしまいます。
 
 
「分からないことに当たったときは、原典に尋ねよ」とよく言われるものですが、
こういうときは自然からヒントをもらうのが良さそうです。
 
 
さてぬるぬる界の重鎮「うなぎ」が何故ぬるぬるしているのかを調べてみると、
 
 
①皮膚呼吸のためには、皮膚の表面に水分が必要だから
②陸上に上がっても簡単に乾燥しないようにする
③皮膚表面の浸透圧調整
④毒性を持つことにより、外敵から身を守る(1gでネズミ2000匹殺せるそうです)
 
こんな感じの理由が挙げられていました。
 
 
これらの結果から鑑みるに、
 
①ぬるぬるのおっさんは、両生類的に「水辺と東西線を往復している」
②ぬるぬるのおっさんは、猛毒のぬるぬるをすることにより、外敵(痴漢冤罪)から身を守っている
 
のかもしれません。
 
 
それにしても、ぬるぬるを、「ぬるぬるしているの気持ち悪い」と思ってしまうのは、
本能的に、それが毒である可能性が高いので近寄らないようにするためのプログラムなのかもしれないですね。
 
 
しかしながら、
気持ち悪いおっさんなら何をいってもいいという風潮はおっさん予備軍として実に見過ごすことのできない動きです。