道路に落ちている靴下

 

木更津市民はモンゴルの遊牧民が歩くよりも早く馬の乗り方を覚えるように、
歩くよりも早く車の運転の仕方を覚えるので、
運転が達者なことが多いのですが、
 
 
善良なる木更津市民の私も例に漏れず、よくお客様の声で
「運転が安定してゐる」と良く褒めて頂くのですが、
雨が降る夜の首都高を走っていても、同伴者全員が寝り落ちてドライバーの私1人が孤高の戦いを続ける程ですので、どうやら履歴書に書けるレベルで本当に運転が安定しているんじゃねぇかと思う今日この頃です。
 
 
普段運転をしていると、ただ乗っているだけでは絶対に気づきえないような道路風景が見えてきます。
 
 
猫の死体、カエルの死体、エロ本の死体、ひどい時には白鷺の死体が転がっていることもありますが、
中でも圧倒的に多いのが、靴下の死体です。
 
 
靴下の死因は、推察するに干していた洗濯物が風邪で吹き飛ばされてお亡くなりになってしまったことですが、数ある洗濯物の中で、どうして靴下のコンバージョン率が圧倒的なのかと云いますと、ズバリ洗濯バサミのとめ数に起因しています。
 
 
一般的に人類は表面積の広い布を見ると広げて干したくなってしまうので、
タオルやパンツ等の水分を含むと形状が人類にとって不安を想起させるものは、2点止め、3点止めの場合が多いと考えられます。
 
 
物事は3点を抑えると安定すると人類で初めに唱えたモンテスキューは、きっとパンツを3点止めしていたことでしょう。
 
 
しかし一方で、靴下は表面積の少ない布ですので、1点止めという物理上では一番不安定な状態で置き去りにされるので、風立ちぬで飛び立ちぬして仕舞うのです。
これが道路上で靴下が涅槃しているゆえんなのだと思います。
 
 
大切にしている靴下は、常に3点止めを心がけることが肝要でございます。